将来への道

青二プロダクション卒業生の声

僕の言葉が、
最初のハードル
かもしれない

PICK UP 01

東京校 14期生

神谷 浩史

INTERVIEW

塾で学べることは、
無限にある答えの
1つでしかない

声優を目指す理由は何でもいいと思ってるんです。僕が青二塾に入ったのは、演劇雑誌でたまたま見つけた、一番広告が大きくて学校っぽい養成所だったから。無茶苦茶ですよね。入塾してから声優の方がメインだって気づきました。面食らいましたが、授業料を親に前借りして払っていたので辞めるわけにもいかず、「本当にここで良いんだろうか」と思いながら通いました。もちろん、今となっては良かったんですけど。

青二塾に入ったのは、演劇雑誌でたまたま見つけたから。青二塾で教わったことって、実は何にも役に立っていないんです。でも、「意味がない」のとは全然違う。今の僕にとって、青二プロは無くてはならない存在です。
当時の僕は演技を全く分かっていなかった。最初は戸惑ったけれど、やっていくうちに先生方への尊敬の気持ちも芽生え、教えられた通り懸命にアプローチしました。自分は高校時代に個人演技賞なんかもらって勘違いしていたし、養成所には未熟な人が来るわけですから、青二塾の中では優等生になれた。ただ、そのせいで、演技ってこういうもんだと思い込んでしまったんです。でも、いざ現場に出てみると、教えてもらったことが何にも役に立たない。ほとんど役に立たなかった。

今回、僕がこのインタビューで伝えなくちゃいけないと思っているのは、「青二塾で教えてもらうことがすべてではない」ということです。

青二塾でできなくて
他で通用するわけがない

養成所で教わることは「今この場で通用する答え」であって、場が変わったら別の答えを用意する柔軟性を絶対に持たなくちゃいけない。その場その場で、そこに通用する武器を選択するべきであって、教わることは、無限にある武器のうちの1つでしかありません。どんな世界でも同じだと思うけれど、世の中、教えられて片付くことばかりが自分の身に降りかかるわけじゃない。ケースバイケース、当たり前です。妄信的になっちゃいけないんです。

でも僕はそれが全てだと思い込んでしまった。もっと柔軟に、「今求められている答えは違うんだな」と切り替えなくちゃいけなかったのに、僕はそこまで器用じゃなかった。「あそこでは通用したのに、なぜ通じないんだろう」と随分長いこと思い悩みました。「何も役に立たなかった」のは、僕の吸収の仕方が悪かったせいなんです。

これは僕個人についての経験です。神谷が言ったから、青二塾に通うことに意味がない、授業を聞かなくていいんだということとは違う。
全っ然、違います。
教わることがすべでではないけれど、青二塾にいる間は、与えられた課題に真摯に向き合うべきです。だって、今求められていることに応えられないのに、他の環境でできるわけがないでしょう。

どんな理不尽な経験も
役者の仕事では
無駄にならない

僕は、色んな経験をして、やっと本質を学んで、今ここにたどり着いています。

…例えば、事故で入院したことがありました。1ケ月寝てると筋力が落ちて歩けなくなるんですよね。で、リハビリもすごい大変なんですけど、怖いのは、歩くのも覚束ないのに頭の中に走れていた頃のビジョンがあること。みんな当たり前に歩いて走ってる。でも自分の体はうまく動かない。あれ、おかしい。動けない。走れない。…あの時、ものすごく怖かった。愕然として、はじめて、怪我した人やお年寄りがどういう気持ちでリハビリをし、ゆっくり歩いているのか本質が解ったんです。経験しなかったら気づかなかったかもしれません。

役者の仕事は、どんな悲惨な目に合っても無駄にはなりません。それは唯一の救いかもしれない。幅広い表現を身につける意味でも、色んな経験をして、理不尽な目にも合って、それをしっかり覚えておくべきなんだと思います。嫌ですけどね、また同じ経験をしたいとは思わないし。

一生声の仕事をしたいなら、
青二塾のその先まで
見据えたほうがいい。

役者は「個人」です。求められたことに対して、“自分が”どれだけ+αできるかが課題です。求めに応えることなど、ここじゃ誰にでもできる。個の才能を付加できるかどうかが“有用性”を左右します。声をベストに保つための自己管理も欠かせないし、周囲に自分の価値やタレント性を伝えていくコミュニケーション能力も、重要です。
一方、誰でも及第点をとれる中から、「さすが」と思わせるタレントを見極めてキャスティングするのは、プロダクションの手腕です。今の僕があるのも、青二の存在が大きい。近年「青二プロダクション」はどんどん鋭さを増し、信用を勝ち取っていると言えるでしょう。

「一生声優で生きていくには…」という問いに答えなんてありませんし、一生アニメの仕事ができる人はひと握りでしょう。それでも声の仕事を続けていきたいというなら、可能性はあるでしょうね。ただし、「青二プロであれば」です。
なぜなら、セリフもナレーションも、声の仕事をこれほど幅広くやれる事務所というのは、実はとても少ないから。もちろん青二が全てではないけれど、色んな条件を考えて自分とマッチングするなら、これほど心強い選択肢は他にありません。今の僕にとって、「青二プロダクション」は、無くてはならない存在ですから。

今まで僕の話を聞いて、厳しそうだとくじける人もいるかもしれないけど、これもさっき言った理不尽なハードルの1つかもしれませんね。

PROFILE

東京校14期生神谷 浩史

誕生日:1月28日/出身地:千葉県/出身校:青二塾東京校14期/資格・免許:普免
主な出演作品:『ONE PIECE』 トラファルガー・ロー/『夏目友人帳 シリーズ』 シリーズ 夏目貴志/『斉木楠雄のΨ難』斉木楠雄/『おそ松さん』松野チョロ松/『進撃の巨人』リヴァイ

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青二プロダクション附属俳優養成所